「…ボウヤじゃねえ。」 さっきからボウヤボウヤ言うこの女にイライラする。 「あら。じゃあ名前教えてくれる?私は橘 藍那。藍那でいいよ。」 それでもまだ子供扱いしているように話す藍那に、少しイラついた。 「…唯翔。」 「唯翔…ね。唯翔、ここに好きなだけいていいから。」 俺の頭をひとなでして藍那はリビングに立った。 「とりあえずなにか作るね!」 その時はまだ、ただの世話焼きな女 なんてくらいにしか思わなかった。