か、かわいいなぁ……。


近くで見るといつもよりキラキラして見える。



そして。


「椿ちゃん」


そう言って笑いかけてくれるなんて、夢みたい。



……って。


「え?なんですか?」


「俺もう食べ終わったから行くね。それじゃ、また」


小さく手を振って利仁くんは席を立った。


慌てて私も立ち上がって、ブンブンと手を振る。



「バイバイっ、利仁くん!」


もう、幸せだぁ。


利仁くんとこうして話せる日がくるなんて思わなかった。


これだけで十分だよ。そう思ってた。



────これから利仁くんとあんなことになるなんて、このときの私は知らなかった。