「何あの子?」


「利仁くんの何なの?」



影からヒソヒソと言われてる気がする……。


そんなの当たり前だよね。


今まで話したことなかったのに、いきなり話すなんて。


私と利仁くんじゃ、釣り合うわけないんだ。


相手は学園の王子様なんだもん。



「椿ちゃん、一緒にお昼食べない?またアベルのとこで」


利仁くんは堂々と迎えに来てくれたけど。


陰口を言われて平然といられるほど、肝は座ってないよ……。



「ちょっと!」


……ほら。だって回りの女子が黙ってないもん。


いきなり腕を掴まれる。痛いよ。