「こら、なんで笑ってんだよっ!」
洋くんの両手が顔へ伸びてきて、私の頬をむにっと挟んだ。
「むぅ……だって洋くんのほっぺたが赤くなってたから…。ふふふっ」
「タコみたいな顔して笑うなっ」
「それは洋くんが私の顔を手で挟んだりするからでしょ!」
洋くんは変な顔、なんて笑いながら私の顔を挟んでいた両手の力を少し緩めた。
するとようやく、タコみたいになっていた私の口元から圧迫感が消えた。
だけど洋くんはなぜか、私の頬に触れる両手を下ろすことはなくって。
「なぁ……キスしていい?」
急に真面目な顔をしたかと思えば、予想もしていなかったことを聞いてきた。