それは……屋上から出てすぐの廊下で、私をぎゅっと抱きしめたときのこと?
たしかに……あのときのことは、洋くんには話してない。
でもそれは、光琉くんの様子がいつもと違ったからであって。
泣いていたからであって。
そこに下心なんてないと思ったし、わざわざケンカの種を作りたくなかったから。
だから洋くんには言わなかったんだ。
洋くんはちらっと私を見ると、またすぐに光琉くんを睨みつけた。
「こんのクソ野郎っ!」
1度は止めた拳をまた振り上げると、光琉くんの腹部に重たいパンチをいれた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…