長い長い入学式は無事終わった。

あの男子生徒に話し掛けられたことで眠気はすっかり覚めた。

さて、自分のクラスが掲示されているボードへ向かうか。

ええと、私のクラスは…。

「……S?」

Sって何だ。

そんなクラスあったか?

確か魔力量が多い順にAからEまでだったはずだが。

何かの間違いか?


「一定の魔力量を超えると、特別にSクラスが作られんだよ。さっき説明してただろ。」

「あ、」

さっきの不良の人。

「そ、そうなのか。丁寧にありがとう。」 

「どーも。で、何だ?アンタもSクラスか?」

「ああ、あんたも、ということは君もか。私は黒宮信乃(クロミヤ シノ)。君は?」

「俺は、白矢源(シロヤ ゲン)。よろしくな。」

「こちらこそ、よろしく。」

……ヤバい人と思ったが、もしかしたら見た目アレで普通にいい人なのでは?



ともかく、同じクラスの知り合いが1人出来たのは何とも心強いことだ。