「いいねー和室!私実家が和室だから落ち着くよ。」

いや、落ち着くとかのレベルじゃなく立派なんだが?

やはりお金持ちの家庭では和室1つ取っても立派なのか。

「おお!うまそー!」

席に着くと既に4人分の食事が用意されていた。

まるで料亭だな、これは。

そこには旬の天ぷら、白身魚の焼き物、山菜のおひたし、お吸い物、その他にもあるが、どれも美味しそうだ。


赤い着物を着た栗毛の少女がこちらへ向かって来る。

ヒラヒラのエプロンを付けており、明治か大正のメイドのようでとても可愛らしい。

「私はシルキー、ここのお世話係を勤めさせていただいております。どうぞ、困ったことなどあれば何なりとお申し付け下さいませ。」

彼女が先生の言っていたシルキーか。

「ああ、こちらこそよろしく頼む。」

彼女はペコリと軽く会釈をすると、そのまま台所へ帰ってしまった。