「え、なになにー?2人とももう仲良くなったのー?」
このふわふわした声は…。
「あ、舞!…に緑野君。」
「俺、今完全にオマケだったよね?!」
「すまない、つい。」
「つい?!」
まずいな。
初日だというのに、緑野君をいじるのが少し楽しい。
「それにしても2人とも、片付け早いね。」
現在19時過ぎ。
荷ほどきし始めてからおよそ3時間くらいか。
「私はもともとの荷物が少なかったんだ。時間も遅いことだし、食堂で晩ご飯でも食べながら話そう。」
きっとこの寮の食堂のことだ。
このフロアのように豪華な作りなのだろう。
…だが、その予想はすぐに覆される。
「ーーいや、和室!!」
西洋貴族の屋敷から一転、食堂はまるで高級料亭のような作りだ。
飾り障子から見える窓の外は、立派な日本庭園だ。
何だこれは。
新手の和洋折衷か。