1階へ降りると、そこには白矢君が既にいた。

皆が荷ほどきを始めてからまだ2時間ほどだろう。

荷物が少ないせいか、私が最初だと思っていたんだが。

「白矢君、随分と早いな。」

「アンタこそ、随分と早いんだな。」

「まあな。荷物が少ないんだ。君もか?」

「それもあるが…。妖精に手伝ってもらってな。」

妖精!!

妖精は、好奇心旺盛であるが、その分イタズラ好きだ。

人に近づいて恵みを与えることもあれば、呪うこともある。

そして、私は何故か昔から妖精には嫌われやすい。

「俺の家はもともと妖精と相性が良いんだ。何でも、……この髪色は、妖精の加護なんだと。」

「それは…すごいな。妖精の加護とは、強力そうだな。」

「ここの連中はそういうのばっかりだぜ。後で聞いてみるといい。」

「そうだな、そうするよ。」