さすがに個人の部屋はそこまで豪華じゃないだろう。

そう油断した私が甘かった。

「ーーなっ、んだこれは……!!!」



そこには、小振りながらも豪華なシャンデリア、天涯つきのベッド、上品なソファー、挙げればきりがない。

……私はこんな部屋で3年間も過ごすのか。

慣れる…のだろうか。

頑張って慣れるしかないか。


にしても、皆驚くほど優しい人たちだな、と片付けながら思った。

普通初対面であれほど人に優しいか。

あれが彼らの普通なのか。

しかし、もし私の出来損ないさを知ってしまったらやはり態度が変わるのだろうか。

それは……何だか寂しいな。

仲良くなりたい、そう思った人が離れていくのはひどく悲しい。

だからこそ私は今の出来損ないの私から変わらなければ。

いや、変わるためにここへ来た。

頑張ると決めた。

だから、皆にも迷惑かけないようにしないといけないな。


そんなことを考えている間に片付けはすっかり終わってしまった。


備え付けの家具があると聞いていたし、もともと物は少ない方だ。

あるとしても衣服と武器くらいだ。

備え付けの家具…いや、部屋そのものがまさかここまで豪華とは思わなかったが。

何にせよ、今日から私の新しい生活が始まる。

その期待を胸に1階フロアへと向かった。