「でも、慣れれば何てことないよー。」

慣れる。

この屋敷に? 

3年もあれば慣れる…のか。

「……そうだな。」

「まあそういうことだ、黒宮。じゃあ説明は大体終わったし、先生帰るわ。お前たちの部屋の前に荷物置いてあるだろうから、荷ほどきしておくよーに。あと、分からないことがあったらシルキーに聞いたら大丈夫だろ。」


そう言って、先生はあの転送魔法で帰って行った。

シルキーと言ったらあの家事の妖精か。

寮にシルキーがいるとは、さすが名門だな。

「さあ、じゃあそれぞれ荷ほどきといきますか!終わったら1階フロアに集合な!自己紹介、ちゃんと出来てないだろ。それに、部屋の見せ合いとかしたいし。」

確かに、自己紹介の途中で先生来たから最後まで出来てなかったな。

「部屋の見せ合いはともかく、良いね自己紹介!私、もっと信乃ちゃんのこと知りたいし!」

「そうだな。私ももっと舞のこと知りたいし、良いかもしれないな。」

「じゃあ決まりだな!荷ほどきなんてぱぱっと終わらせて、話そーぜ!」

そういうわけで、私達は各々の部屋へ向かった。