「まあ話はこれくらいにして、中に入ろうか。」

いつまでも外で話していても仕方がない。

それに、いくら春といってもまだまだ風は冷たい。

「そうだな、先生風邪引きたくないし、入るか。」


ガラーー


「ーーーう、わ…。」

これは余りにも…。

「なあ、これが贔屓目の正体。」

寮の外見からは想像も出来ないほど豪華な内装。

そう、教室と同じような…いや、さらにパワーアップしているだろうか。

これはもう、昔の貴族のお屋敷だ。

「…先生、学生が本当にこんなところ寮として使って良いのでしょうか。何というか、気が引けるのですが…。」

「んーー、まあ良いんじゃない?Sクラスの特権だよ。それにほら、他の3人はあまり驚いてないようだし。」


確かに。

3人ともまるで当たり前かの様に靴を脱ぎ出してスリッパを履きだしている。

もしかして、

「あの、君たちの実家はこんな感じ…いや、もっと豪華なのだろうか」

「うーん…。私の家は日本家屋だけど、日向のはこんなだよね。」

「そーだなー。」

「白矢君は?」

「……こんなだな。」

嘘だろ。

全員お金持ちなのか。