世界が1度回ったような気がして、そして止まる。

私のせいで転送が失敗してはいないか、そのことがとても心配だ。

でも今はこのペンダントがある。

胸元にある白い石が埋め込まれたペンダントを軽く撫でる。

大丈夫。


「目、開けて大丈夫だぞ。」

これは白矢君の声。

「大丈夫?酔った?」

「緋桐さん…。大丈夫だ、問題ない。」

本当は少しだけ目の前がぐるぐるしているが、別に気にすることのことでもない。

「緋桐さんはやめてよー。舞って呼んで。ねえ、信乃ちゃんって呼んでもいい?」

「ああ、もちろんだ!ええと…舞。何か照れるな、これ。」

これまで名字で呼ばれることはあっても名前で呼ばれることは無かったから、なんともむず痒い。

「……すげぇ、女子がきゃっきゃうふふしてる。」

「お前は少し黙ってろ。」

「何でさ!」