思わず白矢君に聞いてしまった。

「ああ、違うぞ。Sクラスってことはそれだけ魔力量が多く、普通の奴より制御が難しい。だから、座学よりも実習メインなんだ。」

「そーゆーこと。詳しいね、君。でも、入学早々仲良くなるのは良いけど、私語はなるべく慎むよーに。」

「……はい。」

「……すみません。」

白矢君は答えてくれただけなのに。

これは申し訳ないことをしてしまった。


「じゃああとは寮の説明か。じゃあ荷物まとめて、実際に寮で説明しようか。」

そう言って先生は小さく呪文を唱えた。

すると、ドアの前にちょうど5人が入れそうな魔方陣が浮かび上がった。

「おお…!」

「転送魔法、初めての人いる?黒宮だけか。」

実は、私はこういう魔法を使った転送や道具があまり得意ではない。

というか、私の魔力量が多すぎて大体失敗してしまう。

しかし、今回は…。

「よーし、全員入ったな。じゃあ行くぞ。」