「とにかく、金剛の差し金で、紅玉様がお前を好きになるようなことがあったら万々歳だろう。」
楽しそうに盛り上がる瑪瑙をよそに、琥珀は冷静だ。
「身分が違いすぎる、無理だよ。」
「まぁなぁ。」
琥珀は思う。
自分には触れることさえ叶わない高潔な姫。
幸せにして差し上げるのは金剛の役目、それはもう決まっている。
それならば、自分にできることは、金剛をできるだけ紅玉様ときちんと向かい合わせることだ。
「俺は紅玉様が幸せならそれでいい。だから金剛には逃げないでほしいんだ。」
琥珀の純真な視線に、瑪瑙が意地悪く、そそのかすように囁く。
「お前なぁ、紅玉様を捕まえたら、王族の仲間入りができるかもしれないんだぞ?」
「王族の身分に興味は無いな。」
琥珀のあっさりとした返事に、瑪瑙は残念そうに言う。
「欲の無いやつだなぁ。」
「金剛を見てるとよく分かる、窮屈なだけだよ。」
「だが、こうやって汗水たらして働かなくても、極上の石が手に入るんだぞ?いい身分じゃないか。」
「自分の手で石を見つけ出す方が俺は楽しい。」
「ふぅん、お前は変わってんなぁ。」
「瑪瑙が欲深いだけだろ。」
「俺か?俺は…そうだな。」
瑪瑙は意味深に笑む。
そこへサイレンが鳴り響いた。
仕事が終了する合図だった。
「じゃ、お疲れ。」
「おう。」
琥珀と別れ、ひとりになった瑪瑙は、何か真剣に思索しているようだった。
楽しそうに盛り上がる瑪瑙をよそに、琥珀は冷静だ。
「身分が違いすぎる、無理だよ。」
「まぁなぁ。」
琥珀は思う。
自分には触れることさえ叶わない高潔な姫。
幸せにして差し上げるのは金剛の役目、それはもう決まっている。
それならば、自分にできることは、金剛をできるだけ紅玉様ときちんと向かい合わせることだ。
「俺は紅玉様が幸せならそれでいい。だから金剛には逃げないでほしいんだ。」
琥珀の純真な視線に、瑪瑙が意地悪く、そそのかすように囁く。
「お前なぁ、紅玉様を捕まえたら、王族の仲間入りができるかもしれないんだぞ?」
「王族の身分に興味は無いな。」
琥珀のあっさりとした返事に、瑪瑙は残念そうに言う。
「欲の無いやつだなぁ。」
「金剛を見てるとよく分かる、窮屈なだけだよ。」
「だが、こうやって汗水たらして働かなくても、極上の石が手に入るんだぞ?いい身分じゃないか。」
「自分の手で石を見つけ出す方が俺は楽しい。」
「ふぅん、お前は変わってんなぁ。」
「瑪瑙が欲深いだけだろ。」
「俺か?俺は…そうだな。」
瑪瑙は意味深に笑む。
そこへサイレンが鳴り響いた。
仕事が終了する合図だった。
「じゃ、お疲れ。」
「おう。」
琥珀と別れ、ひとりになった瑪瑙は、何か真剣に思索しているようだった。