「事実だから、仕方ない。
これは、『暁里は仕事が出来る』って言うのと
同じレベルの話だろ。」

悠貴さんはそっと私の腰に手を添えた。

「田中君だって、営業に出ると、ナンパ師
みたいじゃん。」

私が指摘すると、百合ちゃんが目を見開いて田中君を見る。

「ナンパ師って、瀬名、人聞きの悪いこと
言うな。
営業のためにちょっと仲良くしてるだけだろ?
ああいうのは、本気じゃないから、
言えるんだよ。」

田中君が焦って言い訳をする。

「じゃあ、田中君がかわいい子にかわいいって
言えなくなったら、本気になってるって事?」

私が突っ込むと、

「瀬名、うるさい。」

と田中君はそっぽを向いてしまった。

「ふふっ
小学生みたい。
田中君、絶対、好きな子いじめて嫌われる
タイプだったでしょ?」