夕暮れの帰り道、
あなたとはもう会えない、
こんなに好きなのに。
諦めなきゃいけない。
好きになってはいけなかった。
あなたの一番大切な人になりたくて、
離れててもあなたのことでいっぱいだった。
もうなにも手につかない。
(家に帰りたくないな、、)
徐にスマホを取り出し友達に電話を掛けた。
それでも他愛もない話をするだけ、
フラれたなんて言えない。
それどころか相談すらできなかった。
一人で悩んで一人で終わるんだ。
切なすぎるな。
そう考えてると
自然と涙があふれでてくる。
―――大好きです。先輩。もう一度…。
4月、私はやっとの思いで
私立清明高校に入学した。
中学での成績だと
正直厳しいと言われていた
この高校に
死ぬほど努力して入れたのだ。
嬉しさが込み上げると同時に
不安もたくさんあった。
進学校なので勉強はもちろん心配だ、
でもそれより友達とうまくやっていけるかな。
中学の頃は社交的な性格だったため
自然と友達も多い方だった。
でも無駄に気の強い性格だったからか
喧嘩もやたら多かった。
それで高校では慎重になろうと思っているのだ。
(優しくて穏和な性格になりたい、、平和にすごそう)
教室にはいると皆静かに席についていた。
私も黒板に張ってあった座席表を見て席についた。
そして担任が来て普通に高校生活が始まった。
仲のよい友達、莉子や七海のおかげで毎日が楽しかった。
周りの子の話題は段々部活の話へ
『ゆきは何入るか決めた?』
きえの声に私は首を横に振るだけ
(私もそろそろ何か入らなきゃなあ…)
みんながどんどんと部活を決める中
私は未だに悩んでいた。
莉子は音楽部に七海は箏曲部に、
どっちかと同じ部活ってゆー選択肢もあるけど
正直音楽には全くといっていいほど
自信がなかった。
(はあ、、何かないかなあ)
私は中学時代ソフトテニス部だったから
高校でもという選択もあった。
でも私は俗に言う運動音痴。
これはちょっとやそっとのこと
ではなく壊滅的だ。
運動は無理。ほんとに。
走り方さえも変な
私がやってはいけないのだとわかった。
あとは、、ん?
私の耳に入ってきた言葉は
≪≪マネージャー≫≫
(……いいじゃん!高校っぽい‼)
軽いノリではあったが
色んな部活へ見学に行った。
サッカーがいちばんいいかな?
しかしサッカー部のマネージャーは
残念ながら一学年ひとりまで
もう決まってしまったのだ。
(あぁーあー…どうしよ)