時間にして数秒だったかもしれない。


けれど、あたしにとっては何時間も経過したような長さを感じていた。


「なんで!?」


紗菜の叫びに似た声でハッとして目を開けた。


目の前に唖然としてスマホ画面を見つめている紗菜がいる。


一体、なにがどうなったんだろう?


怖くて自分のスマホを確認することができない。


「なんであたしが負けたの!?」


悲痛な悲鳴を繰り返す紗菜に、あたしは目を見開いた。


紗菜の言葉に教室内がざわめきだす。