まさか、あたしが保健室にいる間になにかあったんじゃ……?


そう思っても、もう遅かった。


ゲームはスタートされ、あたしはジャンケンで何を出すか迫られている。


画面を凝視してみても、相手が何を出すのかなんてわからない。


たった3つの中から1つ選ぶだけなのに、今にも吐いてしまいそうな緊張感が支配していた。


「早く」


紗菜が急かす。


あたしはキツク目を閉じて、震える指で画面をタップしたのだった。