靴を脱いだ女子生徒は両耳を塞ぎ、目を閉じてあたしの後ろでしゃがみ込んでいた。


命令は本人に直接言わなければ通用しない。


それなら、聞けないようにすればいいのだ。


「おい! さっさと全部脱げよ!」


怒鳴る男子生徒。


しかし女子生徒は反応しない。


あたしという壁があることもよかったのかもしれない。


「どけろよ」


男子生徒があたしを睨み付けて来るけれど、あたしは睨み返した。


残り時間は10分ほどになっているはずだ。