けれど、そこには見えない主従関係が存在している。


「好きです」


女子生徒が男性とに従うようにそう言ったのだ。


「ほら、わかっただろ? 俺たち付き合ってんだよ。先輩、邪魔なんだけど」


ニヤ付いた笑みを浮かべる男子生徒。


その隣で助けを求めるように視線を投げかけて来る女子生徒。


あたしは女子生徒の視線に美奈の姿を重ねていた。


やっぱり美奈はあたしのことを怨んでいるのだろうか。


助けることができなかった、あたしのことを……。


「あと何時間?」


あたしは女子生徒へ向けてそう聞いた。