やっぱり恋人同士だろうか……。


そう思った瞬間、女子生徒の頬に涙が流れるのが見えた。


「なんでこんなことするの……」


行動とは裏腹にその声はひどく怯えている。


「なんでって、そんなのわかるだろ?」


そう言って男子生徒が女子生徒へと手を伸ばした。


「私欲を満たすため」


男子生徒の手が女生徒の胸へと伸びた瞬間、あたしは大きくドアを開いていた。


2人が同時に振り返る。


「なにしてるの」


そう言う自分の声も震えていた。