一瞬頭の中は真っ白になり、次に心臓がドキドキし始める。


この中にいるのはどうやら男子生徒1人だけじゃないようだ。


きっと受験などは無関係な生徒があいびきをしているのだろう。


そう思いあたしは踵を返した。


「いやっ!」


切羽詰った声に、歩き出そうとしていた足を止めて振り向いた。


小屋の鍵は南京錠で、開いたままになっている。


あたしは数秒悩んだのち、そのドアを少しだけ開いた。


小屋の中には小さな裸電球が付けられていて、そこに男女の生徒の姿があった。


女子生徒が制服のリボンに手をかけている。


「嫌だって言いながらも、逆らわないんだな」


男子生徒が笑い声と共にそう言った。