西倉side
僕達は屋上についた。
「もう健人と未来さんはいますかね」
木部「まだみたいだね!」
「先に食べましょうか」
黒澤「おう」
木部「そうだね!」
小沼さんの事を嫌うのは、小沼さんの性格と外見で分かりますが、怜斗はともかく元輝まで小沼さんに、あんな態度をとるとは、、。
相当なんでしょうかね。
僕的には、小沼さんは周りとの関係が人一倍あって誰とでも仲良くできるタイプ。
僕達は別として。
という事は、小沼さんに情報が新しく新しく回ってると思うんですよ。
なので、小沼さんと仲良くしていれば、僕達が欲しい情報が聞けるかもしれない、僕はそう考えています。
それに、たまに……。
ガチャっ
「遅かったですね。健人、未来さん」
?「あぁ、昼飯もってきてねぇから購買よってきたんだ」
「そうでしたか」
?「あ~、お腹空いた!早く食べよ~!」
?「それより、最近あの人の動きはどうだ?」
「今のところないです」
?「そうか…」
西倉end
あー、最悪。
何で、私が放課後掃除しなくちゃならないわけ。
え、なんで掃除してるかって?
今日の英語の授業で居眠りして、おまけに何も準備してなくて、さらに問題を分かりませんで終わらしたから。
「はぁ…」
今日は早く帰って、夜の準備して気合い入れようとしたのに。
教室の掃除だけなら何も考えずに、ササッと終わらすのにさ、何で屋上まで掃除しないといけないわけ?
かなーーーーり、行きたくない。
もしさ、もし、掃除している最中に皇輝メンバーが来たらどうする?
罰で掃除してるんです。って言っても信じてもらえなさそう。
学校の時の性格上。
屋上は誰も掃除しない。てか、掃除出来ない。皇輝のたまり場だから。
先生達だって誰も近寄らないし。
そんな所に、この私がいけだと?
自殺行為でしかない。
あ、でも私がこの学園の学園長の孫だからって言えば何とかなるかも。
いや、ダメだ。
私の家は一般家庭って設定されてるんだっけ。
まぁ、鉢合わせた場合はその時解決するか。
そして、私は屋上に向かった。
そーと、そーと。
「…誰もいないよね?」
誰もいないことを確認し、屋上に入った。
「ササーっとササーっと…」
てか、やらなくていいかもね。
かーえろっと。
??「おい」
ビクッ!!!!!
「っつ!」
いきなり後ろから声をかけられ驚いた。
誰かいたの!?分からなかった…。
鈍ったのかな私。
でも、ここにいる人ってやっぱり……。
ゆっくり私は後ろを向いた。
「い、一之瀬 健人…せんぱ…い」
やばいよやばいよ。
とんでもない奴に見つかった。
皇輝総長・一之瀬 健人
高校2年
髪の毛は黒髪
皇輝のメンバー以外とはめったに話さないとの噂。喧嘩は誰にも負けた事がないらしい。
一之瀬「ここで何をしている」
どうしよう。やっぱいきなり直面すると混乱する。
ぶりっ子ぶりっ子…。
一之瀬「何をしてると聞いている」
「え、えとぉ、、先生に頼まれてぇ、掃除をしてましたぁ~!」
めっちゃくちゃ睨まれてる。
平常心平常心。
一之瀬「ここがどこだか知っているか」
「はい!屋上でぇ~す!」
この人怖。
一之瀬「皇輝のたまり場だ」
あ、そっちか。
「掃除終わりましたのでぇ!今でていきまぁ~す!」
ぶりっ子全開でいけた、、。
よく頑張った私。
女優いける気がする。
屋上から出ようとした時、
パシっ!
「え?」
なっ!な!!何事!?
何故か腕掴まれたんですけど!?
「どうしたんですかぁ~??」
私はあんたらが嫌いな女でぶりっ子だぞ!?
皇輝の総長!何故私を引き止める!?!?
一之瀬「名前」
な、名前!?
なんか嫌な予感が。
でも、ここで言わなかったらボコボコにされそうだし。あ、ボコボコにされる前に私がボコボコにするけど。
名前言えば、明日私はどうなるか分からないし。
でも、ここは
「1年、小沼 柚香でぇ~す!
一之瀬先輩に聞かれるなんてぇ~光栄ですぅ!!
それではさようなら!!!」
ダッシュして家に帰った。
「ハアハアハアハアハアハア…」
何なの…。
あーーー。結局昨日は屋上での出来事で頭がいっぱいで、夜いけなかった。
今日は教室に入るのも嫌だな。
いやむしろ学校に行くことも。
でも、ここはいつも通りに、
「皆ぁ~!おはよぉ~!!」
クラス「おはよう!」
クラス「「おはよーう」」
クラス「おはよ~!」
ここで本性をばらす訳にはいかない。
西倉「おはようございます。小沼さん」
黒澤・木部「「……」」
ん?んん?
なぜ、西倉から挨拶を?
あとの2人はいつも通りだが、、、。
いや、注目されてる.........。
「おはよぉ~う!」
なんか、逃げた方がいいような。
私は席を立ち、後ずさりをする。
西倉「すみませんが、僕達にちょっと着いてきてくれませんか?」
やはりそう来たか。
黒澤「本当にこいつなのかよ」
木部「健人が間違えてるんじゃない?」
何を話してる。
西倉「総長が言っているんです。本当ですよ。小沼さんいいですか?」
ここは上手く断らなければ。
「もうすぐ授業始まっちゃうよぉ~?私ぃ、馬鹿だから授業受けないと、留年しそうなんだよねぇ~!だからぁ、また今度でもいい???」
西倉「昨日、屋上で一之瀬健人とあいましたか?」
げっ!
私は無意識に目をそらした。
「え~??会ってないよぉ~??」
黒澤「葉、こいつだ」
木部「らしいね~」
なぜこいつらは私だって確信した!?
西倉「では、着いてきてください」
いや、行くと言ってないよ!?
「私、授業受けないとぉ~」
黒澤「ちっ、めんどくせえ。おい元輝」
ん???
木部「あ!健人!!」
木部は、そう言って廊下を指さした。
「え!?」
私は、一之瀬の名前に反応してしまった。
フワッ!
私の目線は一気に高くなった。
「きゃっ!!え!?」
黒澤「黙ってろ」
何と、黒澤に私は担がれていた。
ちょっと!!下ろしてよ!!!この無口野郎ー!!!
って叫びたいけど、叫べない。
木部「本当馬鹿だね」
黒澤「誰もが分かることだろ」
おい、誰のこと言ってんだ?
「えぇ!?なになに~?私どうなっちゃうのぉ~??」
西倉「さあ、行きましょう」
「ちょっちょっと無視ですか~!?」
え、もうピンチでしかないんですけどー。
関わらないつもりが、なんでこうなるのー!
ひたすら担がれてる私。
「あのぉ~、どこまで行くのぉ~?
あとぉ、怖いから下ろしてよぉ~!」
西倉「今から行くのは屋上です。
小沼さんが逃げないように、怜斗が担いでいんです」
「私は逃げないよぉ~?それに私重いからさぁ~」
黒澤「別に重くない。健人が逃げ出す恐れがあるから、担いどけとの事だ」
ちっ、お見通しってことかよ。
木部「健人はこんな子のことどうして気に入ったんだろ」
「えっ!…どういうことぉ~?」
やばい、普通に驚くとこだった。
黒澤「それは、俺達が知りたい」
あなた結構喋るのね。無口キャラじゃなかったの?
木部「だよね~」
木部は腹黒い。
西倉「屋上に着きましたね。おそらく、健人はもういるはずです」
木部「健人ー、連れてきたよ~」
あー、私はどうなってしまうのだろうか。
一之瀬「怜斗、そいつを下ろせ」
黒澤「あぁ」
黒澤は私を下ろした。
てっきり、乱雑に下ろされるかと思ったがゆっくり下ろしてくれた。
「き、昨日ぶりですねぇ~?」
一之瀬「……」
いや、なんか喋れや!
お前が私を呼んだんだろうが。
木部「ねぇー、健人。どうしてこんな子呼んだの?」
一之瀬「昨日、こいつが掃除だと言って屋上にいた」
「だからあれはぁ~、先生に頼まれて~掃除しただけですよぉ~?」
黒澤「なるほどな。屋上にいたことは本当はだったんだな」
木部「へ~」
西倉「それでですか」
え、いや、意味わかんないんですけど。
一之瀬「普通だったら、いくら頼まれたと言っても屋上に行こうとする者はいない。それが、お前は来た」
え、だからなんですか?
「…」
西倉「つまりですね、普通だったら来ない所に、普通に来た。それも、皇輝のたまり場。今まで、来たものはいなかったので、健人はそれであなたを気に入ったわけです」
それだけで気に入るか!?
「気にいったってどういうことですかぁ~?私ぃ、喜んでもいいってことぉ~?」
あー、やべーなまじで。
まさかの、皇輝の総長に気に入られちゃったパターンですかー。
いや、まずなんで屋上に行っただけで気に入っちゃうの!?
一之瀬「それに、俺の殺気をくらっても何ともなかった」
西倉・黒澤・木部「「「は?(え?)」」」
あ、たしかにあの時、出てたな。
「えぇ~?殺気ぃ??何ですかぁ~それぇ~?」
黒澤「健人わかった、こいつはアホなだけだ」
おい、
一之瀬「そして、そいつの性格が演技臭い」
なっ!!!
こいつ!!!!
木部「そう~?ただのぶりっ子にしか見えないんだけど~」
黒澤「そうだ、the女って感じしかしない」
おい黒澤、女をなんだと思ってんだ。
一之瀬「最初、声掛けた時そんな雰囲気ではなかった」
よく見てんなこいつ!!!
流石、総長ってか!?
「あ~!!私ぃ!!そろそろ本当にぃ授業出ないとやばいのでぇ~!!失礼しまぁ~す!」
私は急いで屋上を出た。
本当やばいよ。
あの一之瀬にはもうバレてるんだ。
もうこれ以上、関わったら確実にバレる。
何とかしなきゃ。
一之瀬side
小沼 柚香。
お前が…そうなのか?
そうなのかもしれない。
あいつには絶対何か裏がある。
屋上に来る度胸。俺達の言葉に動揺しない根性。
俺達を怖がりもしない。
それこそが1番怪しい。
怪しすぎる。
西倉「確かに、何か裏がありそうですね」
黒澤「そうか?ただの女にしか見えないんだけど」
木部「若干、僕と似てるかも」
「葉、ハッキングはどうだった」
西倉「出ましたよ。小沼柚香、16歳。3人家族で一般家庭。成績は良くなく毎回最下位。そして、1つ上の兄が事故で亡くなられています。後は特に特別な情報はありませんね。一般家庭の場合はここまでしか出ません。」
木部「お兄さんがいたのか…」
兄か…。
「ぜってえ、暴いてみせる。とりあえず、作戦を仕掛ける。未来を呼べ」
西倉「分かりました。面白くなりそうですね」
覚悟しろよ?柚香。
さーて、今夜は私、降臨と行きますか。
「あの辺とか怪しいな」
細くて、気味の悪い道。
コツンコツンコツン…
少し奥に進むと微かに声が聞こえてきた。
あー、やっぱりな。
「ねぇ、何してるの?」
まぁ、カツアゲだろうけど。
チンピラ1「あぁ?何って見てわかるだろ?カツアゲだよ!」
「…た、たすけ」
やっぱり。
2対1か。せこいな。
「カツアゲ?それが?」
チンピラ1「お前も一緒にやるか?(ニヤ)」
チンピラ2「楽しいぞ~(ニヤ)」
「…。俺入れて3対1でカツアゲか?
カツアゲってのは、ボコボコにするのか?」
チンピラ1「あ?こいつがさっさと金出さねえから、早く出すようにしてるんだよ」
「それは楽しそうだなあ、じゃあ俺も混ぜてくれ(ニヤ)」
チンピラ1「おお!いいぜ!…っぐは!!!」
チンピラ2「ひっ!…ぐはっ!!!」
「逃げんなよ…」
チンピラ2「な、なんなんだよお前は!!」
「あ?俺か?」
まぁ、分からないだろうな。
真っ黒なパーカーに真っ黒なズボン。
パーカーの深いフードで顔は隠れてるしな。
「これを見れば分かるか?」
カツアゲ野郎2人に見えるように、フードから長い髪の毛だけを見せた。
チンピラ2「あ、ぁ赤髪っ!!」
チンピラ1「赤姫…」
「正解だ。ここは、私の領域だ。勝手なことをされては困る。今ここから立ち去れ」
チンピラ1・2「「はっはひー!!」」
はひー?
「あ、大丈夫?」
カツアゲされていた奴に話しかけた。
?「はっ!はい!赤姫さん!ありがとうございました!!!!」
頭を膝に着くくらいに下げてお礼を言い去っていった。
礼儀の良い奴。
見ての通り私、小沼柚香は赤姫としてこの辺の治安を守っている。
皇輝も有名だが、私の方がちと有名かな。
ここらの治安は最近、皇輝が仕切ってやっているらしいが、情報によると犯罪が多くなり手が回らなくなってきているらしい。
私が最近見回っていない間に少しずつ増えてきたらしい。
全く、人間はどうしてこう…。
まぁ、言っててもなんも変わらないか。
さーってもう少し見回りして帰るかな。
はぁ、学校行くのが辛い…。
本当に本当に面倒臭いが、赤姫とバレないために、ウィッグをして赤髪を隠し、性格を変えている。
そもそも、皇輝と学校が一緒じゃなければ、ぶりっ子なんてやってないわ!!
念には念をってね!!
現状バレそうだけど。
総長にはもうバレてるのかな。
西倉「おはようございます。小沼さん」
木部「おっは~!柚香ちゃん!」
は?
黒澤「はよ…ぶりっ子」
はあ!?
だからあなた、そういうキャラですか?
な、何事なの。
西倉はともかく、木部と黒澤までもが私に挨拶!?
「おはよぉ~!3人ともぉ~!」
落ち着け、いつも通りだ。
全然いつも通りじゃないけどな!!!
「どうしたのぉ~?西倉君以外はいつも挨拶なんてしてこないのにぃ~!」
黒澤「しゃーねーだろ。健人が作戦だって言うんだから」
「作戦?」
バゴーーーン!!!
黒澤「いってー!!何すんだよ葉!」
西倉「何ベラベラと喋ってるんですか。言ってしまったら意味が無いでしょ」
木部「怜斗のアホ…」
黒澤「アホだから築かないだろ」
失礼な。
西倉・木部「「怜斗がね!(です!)」」
て黒澤…あんた人の事言えないだろ。
てか、まさかのアホキャラ!?
しかも西倉ツッコミキャラでしたか。
この2人、コンビ?
すごいことに気がついちゃったよ。
木部「なんか、柚香ちゃん変な勘違いしてそ~う。いや、あってるか~」
とにかく!皇輝から逃げなくては!
明らかに様子がおかしい。
私の正体を暴こうとしている。
特に、一之瀬!
キーンコーンカーンコーン
午前のチャイムなった!
弁当もって、急いで教室を出る!
西倉「小沼さん、健人が呼んで…」
木部「もうどっかいっちゃったよ~」
黒澤「逃げ足の早い奴」
西倉「まぁ、予想通りですね」
木部・黒澤「「うん(あぁ)」」
こんな話をされていたのなんて、私は知る由もなかった。
「ハアハア…」
ここまで来れば大丈夫でしょ。
どこかって?校舎の裏よ。
初めて来たけど、意外と綺麗な場所なのね。
でも、さっきから何かきこえる。
??「やめっ…」
??「大人しくしろ!」
??「おい、もっとちゃんと抑えてろよ!」
え、女の子1人に男3人が襲いかかってる!!!
この学校そんなに治安が悪かったの!?
助けないと、、、あ、でもどっちの私で行こう。
先生呼んできた方がいいかな。
いや、もし手遅れになったら、、。
よし!
「ちょっとぉ~!何してるのぉ~!?」
何も考えず飛び出したら
ぶりっ子でいってしまったー。
ぶりっ子じゃなかったら今後の学校生活がやばかったか。
男子A「あぁ??見てわかんねえか?邪魔すんじゃえ!!」
男子B「でも君も可愛いねぇー!混ざっちゃう??」
キモ…。
男子C「一人増えてもっと楽しめそうだな!」
はぁ、、、。
「私ぃ~、そんな趣味ないんでぇ~!
今、先生達よんだんでぇ~逃げた方がいいですよぉ~?」
先生達呼んだって言えば逃げるだろ。
男子B「なにー?!」
男子C「やべーよ!逃げようぜ!」
男子A「まて、それは無いな」
は?
男子A「ここまでの距離は結構かかる。ついさっき、この女を捕まえて遊び始めたのに、あんたが今さっき助けなを呼んだってのは無理があるぜ。ここに戻って来るのに往復してる時間があるんだぜ?」
ちっ、無駄に鋭い奴だな。
ここまでか。
「そうよ、助けは呼んではない」
ここで、こいつらを口封じすればなんとかなる。
男子B「じゃあお前も、一緒に遊ぼうな~」
男が、腕を掴んできた。
「…ふざけんなよ」
男子B「あぁ??なんった?」
この私に気安く触るとは、覚悟出来てんだろうな。
「汚ぇ手で触んなっつってんだろうが!!」
男に蹴りを入れようと、足をあげそうになった時、
パチンっ!
?「はーーーい、ストップ!」
「え?」
あれ?今まで怖がっていた女の子だよね?
?「ごめんね?」
ん?なぜ謝る?
まって、この人どっかで……。
「ぁ、あ、ああ!!!!」
やってしまった。これは、罠だ。
だって、この人。
「山本 未来、先輩…」
山本「あら?私のこと知ってるの?」
「は、い。」
山本 未来
高校2年
茶髪で肩に触れるくらいの長さ
皇輝のお姫様。常に皇輝の人達に守られている。
よく周りを見てみれば気づけたはず。
女の子1人は山本未来。
3人の男は、皇輝の下っ端。
そもそも、お姫様を1人にさせないはず。