やっぱり、お兄ちゃんは皇輝の元総長だった。
だけどあの時、
私は皆からお兄ちゃんを奪った。
「私は、お兄ちゃんをっ…」
ぎゅ〜〜〜〜
「!!!!」
私は、いつの間にか健人に抱き締められていた。
健人「大丈夫だ。おちつけ」
その言葉に洗脳されたかのように、私は体が楽になった。
「う、ん…」
そして、その瞬間に意識がとんだ。
すごく暖かくて、気持ちが楽になった気がした。
西倉side
柚香さんが倒れ、俺達はかけよりました。
柚香さんは相当抱え込んでいたらしいですね。
恐らく気絶なさったのでしょう。
黒澤「おい!!小沼!!」
山本「柚香ちゃん!?!?」
木部「だ、大丈夫なのこれ!?!?」
「安心して下さい。健人の言葉に安心して思い詰めていた事が弾けたのでしょう。」
山本「良かった〜」
一之瀬「良くはないだろう」
「そうですね。柚香さんは颯太さんの事を、元毒氷に聞いたとの事です。柚香さんはきっと颯太さんを殺した犯人を見つけようとしています」
一之瀬「1番危険な事をしようとしているって事だ」
流石、我等の総長。ご名答だと思います。
黒澤「でもよ、見つけでどうするつもりなんだろ」
山本「確かにそうね。喧嘩が出来るわけでもないし。危ないわ」
木部「柚香ちゃん…」
そうです。未来さんのように喧嘩は出来ないと思うので、よけいに返り討ち所じゃなくなりますね。
心配です。
無理をしないといいですけど。
西倉end
一之瀬side
「颯太さんの言う通りになったな」
西倉「確かにそうですね」
山本「俺になにかあったら、必ず妹がでてくる。そう言ってたわね」
木部「必ず復讐を考えるはず。怒った妹は止められない………」
黒澤「どうするつもりなんだ…」
「それは分からないが、俺達は柚香を必ず守る。約束だ」
一之瀬以外「「うん(はい)」」
復讐、颯太さんが言っていた事が本当ならば、柚香を止める必要がある。
しかし、どういう事なのかが分からない。
本人に直接聞くしかないよな。
一之瀬end
??「柚香、大丈夫だよ」
え?
この声…
周りは真っ暗で何も見えないけど、声は聞こえた。
お兄ちゃん?
??「皇輝を、信じろ。最高の仲間だ」
ねぇ!お兄ちゃんだよね!?!?
「ッ…」
声が、出ない!?
??「こいつらの代は歴代皇輝の中でも余裕のトップ。歴代最強だ。何より信頼が出来る」
歴代最強…。
信頼、、、。
??「だから、信じろ!大丈夫だ、自分をかく………ぃぃ!!!」
お兄ちゃんの声が徐々に聞き取りにくくなって、完全に声が聞こえなくなった。
お兄ちゃん!!!
「…ちゃん」
一之瀬「柚香?」
「ま、って、、お兄ちゃん」
あれ?声が出せる
一之瀬「柚香大丈夫か!?」
「はっ!現実!?」
一之瀬「…ほんとに大丈夫か?」
「って、健人…」
私は辺りを見渡して気がついた。いつの間にか部屋に戻っていたのとに。
一之瀬「覚えてるか?夕食後に颯太さんの話をしていたら倒れたんだ」
あ、確かにそんな記憶が…。
「ごめん…迷惑かけて」
一之瀬「気にするな」
健人はそう言って私の頭を撫でた。
「………」
すごく恥ずいんですけど……。
無自覚なのか何なのか。
「そ、それより皆は?」
一之瀬「あー、寝てるんじゃないか?」
寝てる?
時計を見てみると夜中の2時を回っていた。
「えっ、夜中…」
一之瀬「もうそんな時間か」
まって、もしかしてずっと傍にいてくれたの?
こんな私のために………。
「…ありがとう」
一之瀬「だから気にするな。お前のためだ」
「っ、、、」
誤解するような言葉で胸がやばい。
さっきお兄ちゃんが言っていた通りなのかもしれない。
「少し自分を追い込み過ぎたのかも…、今は少し落ち着いた。ありがとう」
一之瀬「もっと俺達に頼れ」
「…うん」
心動かされる…。
「あれ?だけど、未来先輩は?」
確か、私と同じ部屋だった気が…。
一之瀬「自分の部屋で寝ている。ここは俺が急遽借りた部屋だ。」
「な、なるほど」
理解出来た。
一之瀬「なぁ、1つ聞いていいか?」
「ん?」
一之瀬「どうやって、かたきを取るつもりなんだ?」
「…どうして分かったの?」
まさか、そんな質問をされるとは思わなかった。
一之瀬「颯太さんが言っていた。もし俺になにあった時は、妹が必ず出てくると。俺には、かたきを取りに来るととらえた」
なるほど、勘が鋭い。
って、なんでお兄ちゃん!?なんでそんな事言ったんだよ!!
余計に怪しまれるじゃないか!!!!
「お兄ちゃんは私の性格をよく知ってたからね。そう思ったのね」
一之瀬「無茶なことはやるな」
それは無理ね。
必ずかたきを取るつもり。
「はいとは言えない。まだ、どうやってかたきを取るかは考えてないけど、調べてはいる」
ぶっ倒す予定だけどねー。
一之瀬「調べることも、危険すぎる」
誰が調べたとか調べらるハッカーとかいるからね。
「大丈夫よ。いざとなったら助けを呼ぶわ」
返り討ちするけど。
それに石田もいるしね。
一之瀬「はぁ、分かった。必ず何かあったら連絡してくれ」
お、俺様総長折れた。
「約束する」
まぁ、ぶっ倒した後に連絡ね。
健人と話した後、直ぐに寝た。
そして、今は朝食。
黒澤「お前、大丈夫かよ」
山本「具合悪くない?」
皆、心配してくれていた。
なんか、申し訳ない。
「大丈夫。心配かけてごめん」
一之瀬「まぁ、取り敢えず食べるぞ」
「あ」
そう言えば疑問に思ってた事があったんだっけ。
西倉「どうしたのですか?」
「最近思ったんだけど、皇輝って喧嘩あまりしないよね?なんかこう、暴走族って族同士で結構喧嘩するイメージがあったから」
喧嘩してる所見たことがない。
私が拉致られた時は私が倒しちゃったし。
木部「そうだよね〜!前はね、結構あったよ!」
西倉「でも今は、皇輝に対抗出来る族がいないらしく、下克上がないんですよ。腕が鈍りますね」
なるほどなるほど。
流石歴代最強ってか。
黒澤「俺達以下の族は順位がコロコロ変わってるらしいがな。まぁ、そのうちどっかが攻めてくるだろ」
一之瀬「まぁ、もちろんどこかの族が攻めてきた時は柚香は安全なところに避難してもらう」
えー、私も混ざりたいーーーってな事は言えない。
もし、皇輝が危なかったら、私が参加するけどね。
「ボソッ…私はスペシャルゲストね」
皇輝「「ん??」」」
「え?」
口に出てた。やばいやばい。
??「うぇーーーーん!!!!!」
皇輝「「!?」」
子供の、鳴き声?
??「(ママ!ぱぱ!どこーーー!!!!!)」
木部「男の子だ。迷子かな?」
黒澤「外国人だな。何言ってるかわかんねぇ」
山本「それくらい察しなさいよ!お母さんとお父さんを探してるのよ」
西倉「取り敢えず、迷子なのは確実でしょう。男の子の所に行ってみましょう」
その方がいいね。
??「(ひっく、、どこー!!!うぇーーん!!!)」
耳が痛いほど叫んでる…。
黒澤「俺に任せろ!」
え!?大丈夫なの??
黒澤「あー、まいねーむいずクロサワ!アイムファインせんきゅー!!」
ダメだこいつ
西倉「アホですね」
黒澤以外「「うん」」
??「(どこにいるのー!!!!こわいよ!!!)」
西倉「これは…」
一之瀬「フランス語」
「そう見たいね」
流石西倉と健人。
フランス語とよく分かったわね。
黒澤「え??」
木部「フランス語じゃ僕は分からない」
山本「私達じゃ、分かるはずがないわ…」
西倉「俺も喋れる訳では…」
フランス人の男の子「(お姉ちゃん!!僕のお母さんさんとお父さんを探して!!!)」
フランス人の男の子は未来先輩に抱きついてきた。
山本「ちょ、ちょっとどうすればいいのよ!!て言うか、なんて言ってるの!?」
未来先輩にから離れようとしない男の子。
顔がよく見えないな。
一之瀬「(おい、お前なまえは)」
お、流石健人。フランス語喋れるのね。
フランス人男の子「(僕の名前はドニ)」
ドニ!?!?
一之瀬「(俺は健人だ。ドニ、泣きやめ。男はそんな事では泣いてはいけない。強くなれ。俺達が今、お母さんとお父さんを、探してやる)」
フランス人男の子「(うん!僕泣かない!強くなる!)」
黒澤「え、健人すげえな。フランス語喋らるのか!」
西倉「流石ですね」
木部「所で柚香ちゃん、どうして僕の後ろに隠れてるの?」
「え?いや、その。そんなに大勢で男の子囲っちゃったら怖いかなーって思ってた…」
木部「そうなんだ〜!優しいね!」
なんか聞いた事がある泣き声だと思ったんだよ!!
ドニだとは思わなかった、、、。
ドニ家族とは一応繋がりがある。
何度かパーティーであったことがあって、ドニの面倒を見ていた。
泣き虫なのが特徴だったから、外国人の男の子って聞いた時、まさかとは思ったけど。
この中でフランス語を、喋れるのが私だけだったら良かったんだけど、健人が喋れた。
やばい。ドニ、どうにか私に気づかないで!
木部「ゆ、柚香ちゃん!なんか顔が怖いよ!」
ドニ「…ゆずか?」
ドニはついに私の存在に、気がついた。
ドニ「(あ!柚香お姉ちゃんだ!!!)」
ばれたー。
一之瀬「え?知り合いなのか?」
「ま、まぁね…」
皇輝「「!?!?」」
「(ドニ、久しぶりね)」
ドニ「(うん!会いたかったよ!!!)」
ドニは私に抱きついてきた。
「(それで、お母さん達はどうしたの?)」
ドニ「(僕がね、このホテルの中を冒険してたら迷子になっちゃったの)」
冒険って。可愛い。
「(そうなのね。じゃあ、フロントの人に聞いてきてあげるね)」
ドニ「(ありがとう!)」
黒澤「なあ健人、2人は何話してるんだ?」
一之瀬「俺はそこまで話せる訳ではない。挨拶程度だ。柚香とドニの会話は速すぎて分からない」
西倉「凄いですね柚香さん。フランス語話せるとは」
山本「確かにそうよね」
ドニ「(それより柚香お姉ちゃん、髪の毛いつもと違うね)」
「(あっ、いやこれは、染めたの!!)」
ドニ「(そうなんだ!前の時の色の方が可愛かったよ!)」
「(ドニ、ありがとう)」
そして私はフロントに行き、ドニを部屋まで連れて行ってもらうように頼んだ。
ドニ「(柚香お姉ちゃん!また次のパーティーでね!)」
「うん!楽しみにしてる」
ドニ「(健人お兄ちゃん!)」
一之瀬「ん?」
ドニ「(ありがとう!)」
一之瀬「(おう!)」
ドニ「(その他のお兄ちゃんとお姉ちゃんもありがとう!バイバイ!!)」
一之瀬・柚香以外「????」
何言ってるか分からないよね。
「手を振ってあげて。ありがとう、バイバイだって」
私が教えてあげたたら、皆直ぐに手を振った。