さーて、何を話そうかしらね。
やっぱり普通はダメだよね?
あ!いい事思いついた。
西倉「全員集まりました」
一之瀬「よし、行くぞ」
幹部室からでて、2階から1階を見渡せる場所まで来た。
1階から下っ端達らしき人達が私達を見上げている。
何か、ここからお菓子まいてみたい。
あ、何か変なこと考えちゃったよ。
一之瀬「皆集まってるな?」
下っ端達「おー!!!」
おー。
一之瀬「今日から、皇輝の姫になった奴を紹介する。小沼 柚香だ」
下っ端「おぉー!!!」
おーしか言えないのか?
一之瀬「柚香、挨拶」
「あ、はいはい」
そして、1歩前に出た。
注目めっちゃ浴びてる。
「~すぅ。皆さぁ~ん!」
一之瀬と下っ端以外「ぐふっっ」
お前ら何吹いてんだよ。
「こんにちわ!初めましてぇ~!小沼ぁ~柚香でぇ~す!今日からぁ、皇輝のお姫様をぉ努めさせていただきまぁ~す!!よろしくお願いしまぁ~すぅ!」
黒澤「そう来たか」
木部「こわい…」
西倉「想像以上ですね」
山本「やっぱ面白いわ!」
一之瀬「ふっ」
いい反応ね。
一瞬、一之瀬笑った?
あ、下っ端達は私がぶりっ子で挨拶したものだからビックリしてる。
姫がぶりっ子だったとは、思ってもいなかったらしいね。
下っ端「えっ、ぶりっ子?」
下っ端「ぶりっ子を姫にしたのか!?」
下っ端「大丈夫かよ」
ザワザワしてる~
心配するのも無理ないよね。
「てまぁ、ぶりっ子なのが学校での私。家とかではそんな喋り方はしない。
訳あって、最近まではこれを完璧にこなしてきた。でも、あっさりと幹部さん達の罠に引っかかって、本性がバレて今の状況にいたるって感じ。
その前から総長さんにはバレていたらしいけど。なんの理由で私を姫にしたのかは知らないけど、私がやるってが決めたことは最後まで務めさせていただきます。ほぼ強制だけど。なのでよろしく。
はい拍手!!!」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチ
はぁ、言い切った。
一之瀬「反対の者はいるか?」
下っ端「ズバズバしてて、人を動かせる力があっていいと思います!」
ズバズバねー。てか、人を動かせる力?
下っ端「姫に選ばれたのがわかる気がします!」
え?
どこが?
下っ端「ギャップ萌ってやつですねー!」
言ってる意味がりかあ出来ません。
下っ端「これで山本さんも楽にやりますね!」
楽に?
あー!!!
そうだよ!
肝心な事忘れた。
一之瀬「それじゃあ戻るぞ」
私たちは幹部室に戻った。
木部「柚香ちゃんやっぱ、ギャップが大きい!」
「そう?」
黒澤「ぶりっ子で挨拶しだして舐めてんのかと思った」
西倉「いい挨拶でしたよ。インパクト必要ですからね」
そうそう流石分かってるね!西倉!
「て、違う!!!」
黒澤「なんだよ。小沼」
「今まで皇輝の姫だった山本さんはいいの?私が姫になっても」
山本「あ、それ気にしてくれたの?
大丈夫大丈夫!やっと自由に出来るから!」
え、それって姫は自由が聞かないってこと!?
そう言えばさっき、下っ端が楽になるって…、
西倉「未来さん、それじゃあ小沼さんが勘違いしちゃいますよ」
山本「あ、そっか。怜斗ちょっとこっちきて!」
黒澤「あ?なんで?」
山本「いいから」
すると黒澤は山本の元へと向かった。
何が始まるの?
ドスっ
黒澤「…っくッ…何すんだよ…」
ドサッ
え?
山本は黒澤の腹に拳をくらわせた。
勿論、黒澤は白目を向いている。
てか、黒澤…ダサすぎる。
山本「怜斗、油断しすぎ…。
実は私は、姫と幹部どっちもやっていたのよー。」
「どっちも?」
てことは喧嘩できるって事か。
黒澤を白目向かせるほどの。
山本「そうよ、暴走族には姫が必須でしょ!って事になり、姫が見つかるまで私がやっていたの!姫って言っても、私は幹部が本業だからさ、拉致されそうになった時はいつも返り討ちしてたけどねー!」
西倉「もう少し姫らしくしてくださいといつも言っていたんですけどね…」
拉致しようとした族、気の毒に…。
黒澤「本当、未来はこぇー」
木部「あ、怜斗生きてたんだ~」
山本「しぶといわね」
黒澤「おい!!」
本当、キャラ崩壊ね。
黒澤にも一応ファンとかいるっぽいし、ファンにこのやり取りを見せてあげたいくらい。
多分、ファンゼロになるね。
黒澤「今度の姫は自分を偽ってる奴で、おまけに女王様みたいなのやろーかよ!」
やろーって私は女。
「まぁ、黒澤の事今日から扱き使わせて頂くわ」
黒澤「俺かよ!」
逆に黒澤以外に誰がいるのよ。
木部「でもさ~、今まで通りお姫様は狙われやすい訳でしょ~?これからは未来ちゃんが姫じゃないってことは、拉致された時とかやばいよね~」
西倉「確かにそうですね。これからは、出来るだけ1人での行動は控えてくださいね。それと、一応連絡先を交換しときましょう」
まぁ、私の場合も拉致られそうになっても、返り討ち出来るけどね。
正体バレるわけには行かないから、大人しく拉致られるけど。
黒澤「姫を拉致るってことは、俺達に喧嘩売ってるって事だよな」
そうだろね。
山本「その時は、ボコボコね」
一之瀬「柚香、安心しろ。必ず守る。俺達を信じろ。」
「う、ぅん…」
一之瀬の真剣な目は私をとらえ、離させない。逸らすことが出来なかった。
何故か、一之瀬の言葉は不思議と納得されられるような力がある気がした。
伊達に総長してないって訳ね。
暴走族か……
仲間ってこんな感じなんだ。
今まで1人だったから分からなかったけど、少しだけ、仲間が羨ましいと思った自分がいた。
ねぇ、………ちゃん、私は皇輝の姫になっても大丈夫かな。許される事なのかな。
私は…。
「えーでは、事故や病気に気をつけて、また新学期に会いましょう!では!さようなら!」
夏休みだ~!
っと喜びたいところだが、私は忙しい。
それは………
「あっ!小沼は今から職員室に来てくれ! 」
「はぁ~い!」
あー、私一人だけか。
西倉「なんの呼び出しですか?」
「ん~わかんなぁい!」
まぁ。補習だけど。
黒澤「どーせ、補習だとかだろ」
お前にしては鋭いな。
木部「ねぇねぇ!夏休み皆でどっかに行きたいね!!」
えーーーーーーー。
西倉「そうですね。毎年どこかには行ってますし、今年も健人に相談してみましょう」
木部「いえーーい!!」
私はパスしよっと。
木部「柚香ちゃん行こうね!!!」
黒澤「あいつは夏休み最後まで補習で行けないだろ」
おい。私を完全に舐めてるな?
こいつらがいつまでもお喋りしているせいか、教室に残っているのは私達だけになった。
「そうね。最後まで補習で行けそうにないわ」
西倉「何故か、柚香さんが本来の喋り方で補習とか言っているとクールのイメージが崩れますね」
木部「確かに!!ぶりっ子ちゃんの時は馬鹿キャラにかなり見えるけど、本性の方だと賢そうに見えるよね!ギャップやばいよ~!!」
かなりって…。
まぁ、それだけ周りを騙せてるってことね。
嬉しいわ。
黒澤「でもよ、本性が馬鹿でアホでクールで女王様って、良いとこなくね?」
コノヤロー
「まぁ、黒澤も人このと言えないよね~」
西倉・木部「そうですね(だね!)」
黒澤「はぁ?どこがだよ!」
あ?気づいてないの?
じゃあ教えてあげよう!
「皇輝のメンバー以外とは滅多に喋らないクールボーイが、実は馬鹿でアホキャラで、まさかのボケ役だったとは誰も思わないでしょ。私も最初は驚いたわ。黒澤も相当な猫被りね」
ふぅー、言った言った。
黒澤「なっ!」
木部「くふふっ!確かにそれはある!」
西倉「怜斗の面倒みるの大変なんですよ」
黒澤「おいっ!お前らな!!」
ほらもう、キャラ崩壊。
2人に言われてるしね~?
西倉「あ、それより柚香さん。先生に呼ばれてるのでは?」
「あっ!そうだった」
西倉「俺達は下駄箱で待っているので」
「わかった」
すっかり忘れてたわ。
急がないとね。
走りはしなかったが、急いでる気持ちで職員室に向かった。
すぅ~。
「失礼しまぁ~す!せんせ~い!来ました~!!」
「じゃあこっちきてくれ」
「は~い」
私は先生の机まで来た。
「それでだな、夏休みの補習についてだ。一学期の中間、期末とどちらのテストも全教科赤点…。勉強、補習頑張らないと、このままだと進級できないぞ?」
「うぅ~はぃ」
やっぱり、赤点はダメだったか。
「夏休み入って2週間は補習で学校に来てもらう。最後はテストをして80以上取れれば、残りの夏休みは自由だ。しかし取れなければ取れるまでやってもらう。いいな?」
「は~い!頑張りま~す!」
「お、おう、いい勢いだな…」
やる気満々の私に先生は引き気味だ。
補習はぱぱっと終わらせて帰ろっと。
あ、いいこと思いついた。
「てなわけだから、最初の2週間は遊びに行けない」
黒澤「お前、どんだけ馬鹿なんだよ、全部赤点とか…」
西倉「怜斗もあまり人のこと言えないでしょう」
黒澤「俺は小沼よりはマシだ!!」
あ、黒澤やはり馬鹿か。
こいつが頭いいわけないよね。
一之瀬「まぁ、遊びに行くのはその2週間が終わってからでいいだろ」
木部「わーい!!ねえ!今年はどこ行く!?」
あ、やっぱり私も行くのか。
西倉「去年は山でしたから、今年は海でいいんじゃないですか?」
山本「そうね!海いいね!」
一之瀬「それで決まりだな」
え、海で決まり?
海…水着……焼ける………泳げない…………
バレたくない…!!
木部「皆で海入って泳ごーう!」
うげっ……。
山本「柚香ちゃん!水着買いに行こ!」
「う、うん」
え、どうしよ。
ひとり私は冷や汗をかいていた。
そして、夏休みに入り私は補習中。
「せんせぇー暑い~!」
先生「仕方ないだろ、夏なんだから」
クーラーつけろや!
先生「まぁ、このプリントを全部終わらせれば直ぐに帰っていいから」
ドサッ
えっ…
「先生ー、これはーー、2週間分のですか~?」
分厚いプリントを机の上に置かれた。
先生「なわけないだろ、一日分だ。終わらないと帰れないぞ」
「………」
この鬼畜やろーー!!!
ふんだっ!そうなったらそっこー終わらしてやる。
先生「先生は職員室に少し用があるから1人でやっててくれ」
「はぁ~い!!!」
先生「…お前本当に補習する気あんのか?」
何か言ってるが無視だ。
先生は教室から出ていった。
そうだ。石田が可哀想だな。
メールしとこ。
(今日は先に帰ってて)
送信っと。
ピロン
(分かりました。失礼します)
「よし」
そして私はひたすらプリントを片ずけた。
1時間後
「ふぅ、出来た」
これ、私じゃなく黒澤がやっていたら、確実に夕方までかかるわね。
さて、先生のところに持っていきますか。
トントン
「先生ぇ~!」
先生はクーラの効いた部屋で、優雅にコーヒーを飲んでいた。
おいおい、
やる事あるんじゃなかったのか?
先生「おっ、どうした?分からないところでもあったのか?」
「いえ、終わりました~!!」
ブフォっ!!
あ、コーヒー吹いた。
先生「嘘つくのも大概にしろよな」
うわ、信じてない。
私はプリントを渡した。
「全部解けました~!」
先生「………え、ほんとに解いたのか?」
先生はペラペラとプリントをめくる。
「はい!」
先生「…たった1時間でこの量を……。
小沼、本当は勉強できるのか?いや、これは、できるってレベルじゃない、、、」
かなり驚いてる。
ふふっもっと驚かしてやろ。
「裏の入試トップって言えば分かりますぅ~?(ニヤ)」
私は先生に耳打ちした。
先生「なっ!!お前が!?」
まぁ、これはおじいゃん。いや、学園長や、上の者しか知らないからね~。
「まぁ、この事は内緒でお願いしまぁ~す!バラしたら…」
先生「わっわかった!誰にも言わない!それに、残りの補習も無しだ!」
わーい。
まぁ、担任なら言っても大丈夫でしょ。
これから面倒事なくなるだろうし。
「じゃあ!ばいばぁ~い!新学期でね!」
「…お…う……」
あ、驚きすぎでポカーンってなってる。
ウケる。