校内放送で一之瀬が私が皇輝のお姫様ってことを公開発表した後に、黒澤の携帯がなった。
ていうか、私は皇輝のお姫様になるなんて、あいつらには一言も言ってないんだけど。
いや、でもさっき言っちゃったか。
黒澤「あ?あぁ、ぶりぶり全開だったけど、かなり焦ってたぜ」
電話の相手は一之瀬ね。
ぶりぶりって言い方やめてもらいたいんですけど。
黒澤「今から?おう、分かった。じゃあまた」
木部「健人からでしょー?なんてなんて?」
黒澤「健人が今から倉庫に集合だって」
授業サボる気ね。
授業おくれたって知らないんだから。
木部「らじゃ~」
うるさい奴らがいなくなるなんて嬉しいわ。
黒澤「お前もだよ小沼」
え?
あー聞き間違えかー。
黒澤「無視ってんじゃねーよ」
「あー、やっぱり私?」
黒澤「決まってんだろ。お前姫だろ。健人からお前も必ず連れてくるよう言われた」
木部「じゃあ行こ~」
じょ、冗談じゃない。
「私はぁ~パスぅ~!」
黒澤「はあ?」
「だってぇ、~授業受けないとぉ~、おくれちゃうしぃ~」
よし!これで理由に。
馬鹿を装っていて良かった。
黒澤「受けても受けなくても、お前は馬鹿だろ。少し受けなくたって変わんねえよ」
チッ!!!
木部「何か、物凄い心の中の舌打ちが聞こえたような…」
クラス「柚香ちゃん大丈夫だよ!遅れた分は僕達が教えてあげるから!」
クラス「そうそう!安心して!」
クラス「気をつけてー!」
おい、クラスの奴ら何言ってんの?
随分と気が利かねえなぁ。
あーもー!!
「み、皆ぁ~!ありがとぉ~!じゃあ行こぉ~!」
今日は顔が引き攣るばかりだ。
そして、私たち3人廊下に出た。
私は立ち止まった。
「あ、やっぱり私は行かない」
黒澤「駄目だ」
木部「そうだよ~僕達が怒られるからー」
「てか、倉庫行く理由で学校早退出来るわけ?私、怒られるの嫌なんだけど」
いくら、学園長の孫だからといって、そういう理由で早退するのはちょっと。
黒澤「それは大丈夫だ。学園長には許可は取ってある」
「は、はぁ!?」
え?えぇ!?おじいちゃんにって事!?
なんで許すわけ!?
木部「なんでそんなに驚いてるのー?」
「あ、当たり前じゃない!学園長が許可するとか…」
学園長が祖父だとか、絶対言えなくなったー。
てか、ありえないんですけどーー!!!
黒澤「まぁ、そういう事だ。既に健人達は倉庫に向かっている。俺達も早く行くぞ」
あぁ、おじいちゃんまでが彼らの言いなりに………。
木部「何か魂抜けちゃってるよ?」
黒澤「担いでくか」
ヒョイっ
「うわっ!ちょっと下ろしなさいよ!」
黒澤「耳元でうるせーな。お前がさっさとしねえからだろ」
担がれてる身にもなってもね!
頭に血が上るって!!
お姫様抱っこにするとか優しさないわけ!?
あ、でもお姫様抱っこの方が嫌だな。
恥ずいわ。
所でー、
「ねぇ、どこに向かってるの?」
木部「駐車場だよ~」
え、まさか、まさか…。
黒澤「バイクで行くからな。当たり前だろ」
「いや!やっぱり私行かない!!」
バタバタと暴れる。
黒澤「ちょっ!暴れるなよ!」
「いや!」
冗談じゃない!!
私はそういうのダメなのよ!!
私を殺す気!?
がぼっ
「ちょっ!前が見えない!」
黒澤「じゃ、行くぞ!ちゃんと捕まってろよ」
は?
ビューーーーン
「ひょっ!ひょわーーーー!!!!!」
いつの間にかバイクに乗せられており、倉庫に向かった。
まぁ、私が機嫌が悪いのはこんな流れです。