さーて、今夜は私、降臨と行きますか。
「あの辺とか怪しいな」
細くて、気味の悪い道。
コツンコツンコツン…
少し奥に進むと微かに声が聞こえてきた。
あー、やっぱりな。
「ねぇ、何してるの?」
まぁ、カツアゲだろうけど。
チンピラ1「あぁ?何って見てわかるだろ?カツアゲだよ!」
「…た、たすけ」
やっぱり。
2対1か。せこいな。
「カツアゲ?それが?」
チンピラ1「お前も一緒にやるか?(ニヤ)」
チンピラ2「楽しいぞ~(ニヤ)」
「…。俺入れて3対1でカツアゲか?
カツアゲってのは、ボコボコにするのか?」
チンピラ1「あ?こいつがさっさと金出さねえから、早く出すようにしてるんだよ」
「それは楽しそうだなあ、じゃあ俺も混ぜてくれ(ニヤ)」
チンピラ1「おお!いいぜ!…っぐは!!!」
チンピラ2「ひっ!…ぐはっ!!!」
「逃げんなよ…」
チンピラ2「な、なんなんだよお前は!!」
「あ?俺か?」
まぁ、分からないだろうな。
真っ黒なパーカーに真っ黒なズボン。
パーカーの深いフードで顔は隠れてるしな。
「これを見れば分かるか?」
カツアゲ野郎2人に見えるように、フードから長い髪の毛だけを見せた。
チンピラ2「あ、ぁ赤髪っ!!」
チンピラ1「赤姫…」
「正解だ。ここは、私の領域だ。勝手なことをされては困る。今ここから立ち去れ」
チンピラ1・2「「はっはひー!!」」
はひー?
「あ、大丈夫?」
カツアゲされていた奴に話しかけた。
?「はっ!はい!赤姫さん!ありがとうございました!!!!」
頭を膝に着くくらいに下げてお礼を言い去っていった。
礼儀の良い奴。
見ての通り私、小沼柚香は赤姫としてこの辺の治安を守っている。
皇輝も有名だが、私の方がちと有名かな。
ここらの治安は最近、皇輝が仕切ってやっているらしいが、情報によると犯罪が多くなり手が回らなくなってきているらしい。
私が最近見回っていない間に少しずつ増えてきたらしい。
全く、人間はどうしてこう…。
まぁ、言っててもなんも変わらないか。
さーってもう少し見回りして帰るかな。