バサッ

何かが落ちた音がした。

俺とヒロが、その音がしたほうを見ると、顔面蒼白で、少し離れた場所で立っているリュウの姿が見えた。

「…なっ……、何で、アニキと倉持が、キスなんてしてるんだよ?」

「リュウ。これは……。」

俺が言い終わる前に、リュウは、身をひるがえして、その場から、駆け出して、去って行ってしまった。

「…どうしよう……。」

「蔵之介さん。大丈夫?」

ヒロは、俺の肩に優しく手を添えて、そう言ってくれた。

俺は、しばらくの間、呆然とその場に立ち尽くしていたのだった。