「夕美、学校は離れるけどこれからもよろしくね!!」



今日は卒業式。
みんな泣いてて、泣いてないのは

私だけ。



私って、冷たいのかな。





みんないつもよりも

工夫した髪型してるし。



一生に

残るものだから。


そう笑う皆が
青春を満喫していた。



青春なんて

私には…「夕美、北山くんに告らないの?

今日が

最後、だよ。」



北山くん…

私の憧れの人。


好き、なんかじゃ…



それに、私なんかに告られても…










迷惑な、だけだろう。


こんな私に。




もう、会えない…




諦めるしか、ないから。



「あ、ほら、北山くん来たよ!」


「え、もしかして夕美に告るとか!?」


「でも正直ウチも北山くん好きだった〜!」




ほら、北山くんはモテる人。


私なんかに告っても……





「水城さん、あの、これ…」


そういっておずおずと手紙を

差し出してくる北山くん。








……え?「これ、家帰ったら読んでください。
僕らの気持ちが入ってるから………」





「「キャー!」」



????



「なにボーッとしてんの!?
返事しなきゃ、ほら!!

私も好きです!!って!!!!」




「で、でも…もし、そうじゃなかったら
困るし…恥ずかしい……」




「大丈夫だって!」

「夕美ちゃん、頑張って!!」友人に

後押しされた私は、

思わず北山くんに



…声をかけてしまったんだ。




「え…と……き、北山くん…」


「なに?」



純真な瞳で私を見つめてくる。


恥ずか死ぬ……







「私も、好きです………」



「…」

「…」「あはははは!あは、あははっははっ!!」



突然笑い出した北山くん。


「マジでおもろいわぁ、水城さん!!」

「よく引っ掛かってくれましたー!!」

「期待を裏切らねぇ!!」




北山くんの友達、も笑い出した。


わけもわからず突っ立ってると、





「あはっははっ、それ、読んでみ??」




「卒業、おめでとう。

君たちには………」




これ、先生からのお祝いの言葉じゃん。



その下に、手書きでこんな言葉が。



「水城さん、今までありがと!
S市に行っても、仲良くしてね!」

「いつも水城さんの優しい笑顔に励まされていたよ!
転校?してもよろしくね!」




「な、なにこれ…」


嬉しいんだけど。


折角こらえた涙が
いまにもこぼれそう。



「それ、みんなからのメッセージ。
普通に渡すんじゃ面白くないと思って

サプライズにしてみました!」



「そ、そんな…」



みんな、本当に嬉しい…ありがと……

「やっと泣いてくれた。
…それって嬉し涙?悔し涙?」


「そんなの…決まってるじゃん……」「だから、どっち?
俺さー水城さんに騙してコクられちゃったの。言ってくれないと俺が泣かしたみたいじやん」



あ………


そうか。忘れてた。





この成り行きで北山くんに告ったこと、
忘れてた。





今更ながら
赤くなる私。



「嬉し涙です…ホントにありがとう…」


でも…こんなこと平気でするってことは、
私のこと、好きでも何でもないんだね……



まぁ、好かれてるなんてありえないし。
諦めてたけど。






やっぱり悲しい……







「なんか勘違いしてるっぽいから言うけどさ………


俺、水城さんのこと、好きだよ?」
















………え?

そんな、ありえない。


そんな、嘘つかなくても…まわりに、変な目で見られるよ?






「そこまで言わなくてもいいじゃん。ヒドイなー」


「でもっ、私、転校しちゃう、よ?」


「それがなにか問題あるの?」



「あ、会えませんよ??」



「ククッ。なにそれ?転校?してからも俺に
会いたい?」



「北山くん…そんな、ナルシストだったなんて…」


「プッ、アハハ!やっぱ水城さんおもろいわ!大好き」















これは…
恋が叶った?ってことでいいの?


「だから、水城さ…夕美の事が、好きなんだよ。
付き合ってくれん?」あ…
「は、はい!もちろん!!」


パチパチパチパチ!!

「おめでとう!」
「北山お前いいとこ持ってくなよー!!」
「夕美ちゃん〜可愛かった〜!!」
「リア充が!でもお前らなら許せる!」


!!
そうだ、ここ…普通に教室だ!

「…///」
皆の前で私、あんなこと…


「夕美、今日から俺の彼女だからな」

「う、うん!!よろしくね!」

「あぁ、よろしく」