「……いやって言うか……流夜くんがお料理出来るようになったら完璧になっちゃうじゃん。そしたら私がいる意味ないと申しますか……」


「………咲桜。俺は、咲桜が美味いメシ作ってくれるから大事にしてるわけでも、すきになったわけでもないぞ?」


「………え?」
 

ふと視線があがって、柔らかい流夜くんの瞳とぶつかる。


「咲桜に惚れた。それだけだ。と言うかむしろ、俺も咲桜を労えるようになりたい。お前はいつも限界突破で頑張ってるからな。咲桜にお疲れって、少しくらい、俺もやりたいと思うんだよ」


「………」
 

ぽんぽんぽん。


「だから、教えてくれないか?」


「……簡単、なのからでよかったら」


「ああ」


「最初は包丁握らせませんよ」


「……ああ」