しばらくしておばさんが話し始める。

「顕季は幸せね、心配してくれるお友達がいて」

「顕季はね、生まれつき、心臓が悪いの。ずっとドナー、えっと、心臓を提供してくれる人をね、探してるんだけどなかなか見つからなくって…」

「しん…ぞう…」

いくらなんでも心臓がどんなに大事な臓器かくらいは俺にだって理解出来た。

「顕季と友達になってくれて、ありがとうね」

やめろよ、そんなこと言うなよ、顕季となんて最初は友達と呼べなかった。

からかってやろう、少しいじめてやろうって思った自分が恥ずかしくなった。



「…ぅ…」

「顕季!」

「顕季!分かるか!?」

「…て…る……くん…?」

「お見舞い、来てくれたのよ」

その時の顕季の顔を見た時。

絶対、顕季を守るって決めたんだ。