「ハルっ!!!!!」

「ん?どした?ヨーヨーなくなった?」

「違う!いたの!生物くんがいたの!」

「へ?来たん?ここに?」

「そう!吉沢くん。吉沢顕季くんって名前だった。」

「じゃあ、千夏は何してんの?」

「何って?」

「見つかったんでしょ?生物くんが。言いたいこと、あるんじゃないの?聞きたいこと、あるんじゃないの?ここで、何してんの?」

生物くんが見つかったら。

ありがとうを言いたいって思ってた。

助けてくれて、ありがとうって。

理由も知りたい。

なんでいきなり、生物室に来なくなったのか。

私のことが嫌いになったのか。

なんで、また私の前に姿を現してくれたのか。

言いたいことが沢山ある。

聞きたいこともたくさんある。

「…ハル…」

「ここはいいから行ってきな。自分の気持ち、伝えてこい。」

「ありがとうっ!行ってくる!」


神様がもしいるのなら。

許されるだろうか。

拒絶された人を。

傷つけてでもあの背中を追いかけることを。

ずっと。

言いたかったことを伝えても。

私、誤魔化してきたけど。

自分の中ではきっと、もうとっくに気づいてたんだ。

生物くんのことが。

好きなんだ。