「ハル、ごめん、私ちょっと!」

「え、どこ行くの!もうすぐホームルーム始まるぞー!」

「すぐ戻るからー!」

生物くんに会いたくて。

おはようって生物くんに言いたくて。

気持ちだけが先走って走り出していた。

〝コンコン〟

薄いすりガラスの窓を2回叩く。

生物くん、いるかな。

しばらくしてから私が最も今聞きたかった声が。

「…高野?」

「生物くん!!!!!」

「何、朝から。そんなに会いたかったの?」

「うん!ずっとソワソワしてた!」

「…!」

「おはよう、生物くん!!!!!」

「おはよう、高野」

やっぱり生物くんの声は落ち着く。