ーーー「じゃあ今日話すんだな、親に。」



「うん。
ちゃんと資料も集めたし話す準備は万端だから。」



「そっか。
……変わったな、優梨。


初めて会った時よりだいぶ。
あの頃が懐かしいくらい。」



「やめてよいきなり。」



……学校からの帰り道。
颯汰と二人、駅へと向かう。



「初めて会った時とか作り笑いひどかったもんなぁ。」



「だからやめてってば!
恥ずかしい。」



その頃のことはもう掘り返さないでほしい。
なんだか弱みを握られているような気分。



「今、こんな二人並んで帰るような関係になってるなんてな。


俺も最初は少しでも優梨に何かしてあげれたらいいなって思ってたけど、俺の想像をゆうに超えたな。


もう今じゃ前向きになって、自然に笑うようになってるし。」



颯汰は真っ直ぐで明るい笑顔を浮かべた。
どこか嬉しそうに見える。