でも、1つ変化したことがあった
それは美央ちゃん!
香里と3人でお昼を食べたり、遊んだり、結構仲良くなった
香里はそれでも「なんか怖いよあの子。」って言ってるけどね…
だけど、美央ちゃんはほんとに良い子で、可愛い♡
今回は私の勘が当たったかな!
美央ちゃんは私とおんなじでかなりのドジっ子
こけることもしょっちゅうあって
「美咲ちゃーん!またこけちゃった……」
「えー!また?香里ー絆創膏持ってる?」
「うん。はい」
「ありがとー!」
この会話を何回繰り返したことか……
おかげで美央ちゃんの足はすり傷だらけ
美央ちゃんは大丈夫!って言ってるけど、女の子なんだから気をつけないと!
って、私も言えないんだけど…
美央ちゃんには1つ上の彼氏がいるらしい
だから私は先輩として時々美央ちゃんに聞いてる
「デートってどこ行くのー?」
「うーん、遊園地とか、水族館とか!」
「いいな!彼氏ってこの学校なの?」
「ううん、近くの学校だよ!その学校のイベントで知り合ったんだー」
彼氏のことを話してる美央ちゃんはほんとに幸せそうで。
それに比べて私は…
一度も告白なんてされたことないし、ブスだし。
香里はかわいいって言ってくれるけど、嘘だ!
兎にはいっつも「もっと女らしくしろよー」って言われるし!
自分でも分かってるよ…
少し経って、私たちはもっと距離が近くなった。
香里にはまだ距離があるみたい。
この頃にはお互い「美央」「香里」「美咲」と呼ぶようになってた
香里みたいに、大好きな友達ができてよかったな
今目の前でほっぺふくらまして怒ってるのは幼馴染みの橘美咲。
俺は美咲が好きだ。
でも、そんなことアイツは気づいてねーだろーなー
ちなみに香里にはバレてる
ほっぺふくらまして怒るのとか子供かよっ!
でも…すっげーかわいい。まだ顔があつい。
ったく、俺らしくねーな。
美咲は自分のことをブスだって思ってるけど、ほんとはすっげー美人。かわいい
でも俺は素直になれない
「ブサイクだから何来ても似合わねーよ」
自分でもひどい言葉を言ってるってわかってる
なのに思ってもないこんな言葉が口から出てくる
「かわいい。」
この一言が言えたらな
まぁ美咲にはぜってー言えねーけど?
美咲は中学の頃も告白されそうになってた。
でも誰ひとり告白できなかった。
なぜか。それは
俺が邪魔してたから
靴箱に手紙を入れられてることもしょっちゅうあった。
だから俺は美咲が帰る前に回収してた
だから俺の家には美咲宛ての手紙が山ほどある
俺ってこんなに独占欲が強かったのか……
いや、違う。
美咲にだけだ。
ったく。この俺様にここまで好きにさせるとは…
美咲のことが好きだ。大好きだ。
はやく俺のものになって、抱きしめたい
俺は自慢じゃないけど告白されたことがある。
付き合ったこともある。
だけど、どんなに可愛い子でも美咲には勝てないって思ってた。
デートしてても美咲のこと考えてて、よく怒られてたな
それでもまだ美咲のことが好きだって気づいてなかった。
いや、気付かないフリをしてた。
だって美咲に告白してもフラレるのは分かってたし、今の関係を壊したくない。
でも、美咲が倒れた時に好きだって思った。
もう自分の気持ちを隠せなくなった
あの日、美咲とケンカして別々に帰ってた。
香里も風邪で休んでた
ケンカの原因もなんてことなくて、俺が一方的に怒っただけだった
ただ、美咲が他の男と仲良くしてて…
つい怒ってしまった
今考えれば考えるほどあの時の俺はバカだったと思う
あのころの美咲は体が弱く、倒れることもあった
なのに俺は美咲を置いて1人にした。
家でゲームしてると、電話がかかってきた。
美咲のお母さんからだった
「兎くん!ごめんね。美咲が帰ってきてないんだけど、なにか知ってる?」
学校が終わってからもう1時間は経ってた
学校から美咲の家までは歩いて10分くらいだ。
あのとき俺は何も考えられなかった
それでも、美咲のお母さんから「帰ってきてない」と聞いた瞬間、返事もせずに飛び出した。