ジルが城に連行されて一週間が過ぎた午後。寝る間もほとんどなく教養を学んでいたジルは、突然エドガーの巡回につき従うように命令される。
文武に秀でたエドガーは、王子でありながら軍隊の総指揮と警備隊の隊長も担っている。ジルが初めてエドガーに出くわした時のように、自ら警備隊を率いて定期的に王都バルザックを見廻りに行くらしい。
「お前、馬は乗れるのか?」
部屋までジルを迎えに来たリックは、相変わらず機嫌が悪そうだ。
「……乗れません」
ジルの返事に、リックは忌々しげに舌打ちをする。
「しょうがねえ、俺の馬に乗れ。お前なんて死んでも乗せたくないけどな、エドガー様の命令だから仕方がない。落ちそうになっても絶対に助けないから覚悟しとけよ」
どうやらジルは、とことんまでリックに嫌われているらしい。こっちこそ願い下げよ、とも反論できずに、ジルは無言のままリックの後ろに従った。
文武に秀でたエドガーは、王子でありながら軍隊の総指揮と警備隊の隊長も担っている。ジルが初めてエドガーに出くわした時のように、自ら警備隊を率いて定期的に王都バルザックを見廻りに行くらしい。
「お前、馬は乗れるのか?」
部屋までジルを迎えに来たリックは、相変わらず機嫌が悪そうだ。
「……乗れません」
ジルの返事に、リックは忌々しげに舌打ちをする。
「しょうがねえ、俺の馬に乗れ。お前なんて死んでも乗せたくないけどな、エドガー様の命令だから仕方がない。落ちそうになっても絶対に助けないから覚悟しとけよ」
どうやらジルは、とことんまでリックに嫌われているらしい。こっちこそ願い下げよ、とも反論できずに、ジルは無言のままリックの後ろに従った。