闇で光る金色の瞳を、ジルは忘れることが出来なかった。 あの時、ジルはおそらく生まれて初めて獣人を見たのだと思う。 何歳だったのか、どこにいたのかすら、今となっては思い出せない。 けれども煌々と輝く瞳の残像だけが、頭に残って消えてくれない。 その瞳は、怒りに満ちていた。 同時に、ひどく寂しげだと思った。 そして、例えようもないほどに綺麗だった。