彪斗が近くに来てくれないから、私から移動する。


「疲れてなかったらする」


「じゃあ明日は彪斗の手料理食べたい」


一人暮らし歴がある彪斗はたぶん料理もそこそこできるんだよね。


「人に食わせれるもんじゃねーよ。俺は心友のが食べたい」


食べたいって言ってくれる人がいるって幸せだ。


「そんなこと言われたら頑張っちゃう」


朝ごはんくらいならたぶん作れるし、明日早起きして作ろっかなぁ。


「……帰るなら今のうちだけど。いーの?」


彪斗がやっと目を合わせてくれた。


本当に私のこと大事にしてくれてるんだね…。


「大丈夫だよ?」


私はそう言って抱きついた。