「やだ」


「そ。せっかくキスしてやろーと思ったのに残念だな」


……っ。


少しの葛藤の末、私は彪斗の方に顔を向けた。


「キスしてほしーんだ?」


「~っ!!」


顔が真っ赤になるのが分かったけど、こればかりはどうしようもない。


「俺ん家で思う存分してやる」


っ!


恥ずかしい…。


「今してほしい?」


何この羞恥心!


恥ずかしすぎる!!


絶対わざとだよね!?


このドSめ…。


「も、もう信号青になるよ!だからおしまいっ」


耳にイヤホンを差し込んで彪斗を遮断する。