「ねぇー、智くん。蝶が飛んでるよ。」

『モンシロチョウだな。』

「たんぽぽも咲き始めたし、平和だね。」

『つい、この前までは平和じゃなかったけどな。俺から見れば。』

「ごめんね。」

菜々子と、今は病院の周りを散歩している。

明日、退院なのだ。無事に目を覚まし、無事にリハビリを終え。

結易との関係も切った。嫌だ!!と駄々を捏ねられたが、最初にしつこく迫られた時に録音をしていたので、それを翳して、妻の方が大事だから。と、断った。

菜々子も、ごめんね、と謝っていて今度お詫びに菓子折りを渡し行くことにした。

まぁ、結易にとっては酷な話だろうが、割愛願いたい。

これからも、ずっと菜々子と幸せに暮らしていこうと思う。

『なあ、なんで病気だってこと黙ってたんだよ?会社に電話掛かってきて、病院行ったら優子さんめちゃくちゃ泣いてるし。』

優子さんにも、菜々子が目を覚ましたこと、退院する事を伝えたら無事で良かったとまた泣いてくれた。