ふ、と振り返って見れば、確かに、1ヶ月ほど前からだったかもしれない。

俺に愛人を作ることを進めてきたのは…。

もしかして、自分がいつ死んでも、俺が1人にならないように?

そんなんだったら、笑える。

だったら…。なんで…。

「これから、3日ほどが、あの、梶原さん?梶原さん!聞いてます?」


『あっ、え?』

「ここから3日ほどが峠です。良い方に転がるか、悪い方に転がるか…。とりあえず、病室に案内しますね。」

そう言われ、菜々子の病室に案内するという医師に付いていく。どうやら、話をしている時に運んでくれたみたいだった。