「だから、あいつは人間じゃないんだってば! 

青子さんを、狙ってるの!」

「何が起こってるの、一体……」

青子は、震え気味の声で呟く。
 
孝も、少し信じられない気持ちだった。
 
今まで、彼ら妖怪との戦いは、それなりに隔絶された場所で行われた。

もし一般人に見付かったら、お互いの為にならないからだ。
 
だが、喜咲は何のためらいも無く、街中で能力を露わにした。



秩序などかなぐり捨てて、

誰かを巻き込む危険すら、どうでもいいのだろう。




許せなかった。