「そうだ! 姉さんに連絡……青子さん、とりあえず姉さんと話してみて!
それなら分かるはず……!」
が、携帯を出しかけたところで、青子はそそくさと孝から離れようとしていた。
「コーラーッ!
だから行っちゃ駄目なんだってば!」
「もうー何なんだよ君は~……」
そんなふうに、ぎゃんぎゃん騒いでいる時だった。
ふと入った路地の先に、こちらへ向かってくる影があった。
孝は胃の辺りがきゅっと緊張するのを覚えた。
この感じ……前に、セレナに会った時と似てる。
「青子さん、下がって……!」
孝は彼女に背を向け、前方の人物に『通せんぼ』するように立ちはだかった。
影は、電燈の下で歩みを止める。