次の日を迎えてもまだ、昨日の余韻ってもんが残ってて、顏が火照りだす。

あの帰った後も、佐々木君とLINEしてて、懐かしい話もたくさんした。


その余韻に浸って、昨日のやり取りをもう一度見つめ返してると、


「すげーご機嫌だな」


廊下のど真ん中でバッタリ出くわした晴馬君に出くわしてしまった。


「べ、別に関係ないじゃん」


素っ気なく返し、慌ててスマホを鞄の中に無造作に突っ込む。

なぜかあれ以来、晴馬君と顔を合わせずらい。

だから目の前の晴馬君をスッと交わして、足を進めた時、


「あの男はやめとけ」


グッと引っ張られた腕の所為で必然的に足が止まった。


「え、なに?」


振り返った瞬間、晴馬君が眉間に皺を寄せる。

なんで、そんな事、言われなきゃなんないの?


「だからあの男はやめとけっつってんだよ」

「なんで?」

「お前にとってロクな奴じゃねーから」

「はぁ!?訳わかんない。てか何でそんな事、晴馬君に言われなきゃいけないの?」

「よくねぇからだ」

「晴馬君、佐々木君の事何も知らないじゃん。なのに何でそんな事言うの?あたしが誰と会おうが晴馬君に関係ないじゃん」

「あぁ関係ねぇよ。でもアイツは良くない」

「だから何でっ、」

「最後にお前が傷つくから。俺はそんなお前を見たくねぇから。と言ったら諦める?」

「…ってか、またあたしで遊んでる?」

「これが遊んでるとでも言えんのかよ」

「腕、離して…」


未だ掴まれている腕が暑い。

じんわりと晴馬君の体温が上昇して、汗ばんでる。


いや、晴馬君じゃなくて、あたしの体温が上昇している所為だ。