「なぁ、萌?今度の日曜、どっか行かね?」

「日曜?」

「あ、空いてたらでいいからな。無理に、とは言ってねぇし」

「大丈夫だよ」


会いたい。

会いたい。

なんでこんなにも、また会いたくなるんだろう。


「じゃあ萌が行きたい所行こ?」

「あたしの?」

「だって、萌に合わせたいから」

「佐々木君って、やっぱ優しいよね。そー言うところ何も変わってないね」

「そう?だって萌が楽しかったらそででいいじゃん?」

「だめだよ、一緒に楽しもう」

「ははっ、じゃ何かあったらLINEして?」

「うん」

「俺迎えに行くから」

「え、いいよ。時間の無駄だよ」

「は?なに言ってんの?無駄じゃないから」

「ううんダメ。この駅にしよう。だったら佐々木君とあたしの丁度真ん中でしょ?」

「分かった」


そう言って笑った佐々木君に会えたことが、嫌な事をすべて忘れそうなくらい嬉しかった。


その後はすんなりと別れて帰った。

やっぱ佐々木君は良い人だって、そう思えた事。

好青年の佐々木君は、何も乱れてないし、とっても優しい。

あたしを優先して、いつだって気を使ってくれて。


そんな佐々木君に、あたしは憧れてたんだ。


やっぱ気持ちなんてそう簡単に変わんないよ…


麻友ちゃんは佐々木君の事、好きじゃないけど、あたしは気になる。