「やっぱり晴馬君、最低だよ…」


晴馬君を探す途中で、晴馬君を見つけた。

丁度、渡り廊下を渡っている途中、その2階の位置から不意に見下ろしたその場所。

人気は居ない、その場所で何故か晴馬君は女の子と話してた。


それもそのはず、晴馬君は何故かその女の子に壁ドンってやつをしてる。


「訳わかんない…」


あたしには佐々木君に会うなって言っときながら自分は女の子とイチャイチャするなんて、ほんと最低。

って言うか、もう昨日のお礼なんて改めて言わなくてもいいんじゃないの?なんて思ってしまった。


「え、うそ…」


壁ドンしてる晴馬君と女の人の距離が縮まった。

何してんの?って別にあたしがそんな事思う必要もない。

だけど晴馬君は女の人にキスをしてた――…

晴馬君の背後しか見えないけれど、そんな風に見える。


「やっぱり最低…」


小さく呟き駆け足で学校を出た。

佐々木君との待ち合わせもあるからとにかく急いだ。


あたしには会うなとか言って、自分は女とキスしてんじゃん。

前から思ってたけど、ほんと晴馬君チャラすぎ。

女ったらしだよ。


なのにあたしにばっか構って何がしたいんだろう。

平気で好きって言っちゃうような人、ほんと嫌い。