「だからもう、同じ失敗は繰り返したくない。ちゃんとご飯を食べて運動して、これから痩せるつもり。ここを出て、ちゃんとダイエットする。そのきっかけを貰ったから、それでいいの。ねっ、だから食事を楽しもうよ」
「由加里__」
「はい、これローストビーフ。ヨーグルトのソースかかってるみたい。食べよ」
そう微笑んで、お皿に取り分けてくれた。
もうこれで、由加里とはお別れだ。
この先、私は1人で戦わないといけない__。
「そんな顔しないの。また会えるじゃない。ううん、また会って一緒にダイエットするでしょ?真帆と2人なら私、やれそうな気がするんだ」
ここで落ちると分かっているのに、由加里の笑顔は眩しいくらいだ。
私たちは、意外と家も距離が離れていない。
頻繁に会って、同じ目標に向かって励まし合うことは難しくはない。
「私も__すぐ後を追いかけるよ」
「ダメよ。真帆には1億円取ってもらわないと。それで私が半分もらう」
「えー‼︎責任重大‼︎」
寂しさを振り払うように、あえて大きな声を出して明るく振る舞う。
けれど次の瞬間、由加里の顔から笑顔が消えた。
「1つだけ、約束してほしいの」