「由加里‼︎」


私は屈伸しながら、前のほうで飛び跳ねるパートナーに声を掛けた。


両手を突き上げた由加里が、振り返って頷く。


レッスンが始まる前に、2人で相談し合った。


なるべく小刻みに交代しようと。


どっちかが無理をすれば、必ずもう片方に負担がかかる。


だから、足が動かなくなる前に交代する。


準備運動を終えた私は、こちらに戻ってくる由加里と軽くハイタッチをして、前に歩みでた。


3日ぶりの食事と水分補給で、気持ちは本調子に近い。


意気揚々と、ステップを踏む。


黙々と前を見て走っている時とは違い、周りに参加者がいることや、動きの変化があることなど、飽きずに踊ることができるのは有難い。


軽やかに膝を曲げ、元気に腕を振る。


しかし、私をこれだけ動かしている1番の要因は__。


鏡の私が、楽しげに笑っている。


痩せた。


見るからに、痩せた。


一回りほど小さくなっている。


短期間で6kgも減量に成功したんだ。


体が軽くなっても不思議じゃない。


目に見える成果が喜びとなって、体を駆け巡る。


音楽が早くなり、それに伴い早くなる動きにも、私はついていった。


これなら大丈夫だ。


今のところは。