その時、スマホが鳴った。
ラッパ飲みしていたコーラを放り投げ、慌ててメールを確認する。
ひょっとしたら、昌也からかも⁉︎
【さっきはごめん。やっぱり真帆がいい】
なんて期待していた私が馬鹿だった。
ただの迷惑メールだ。
ひどい振られ方をしたのに、まだ気持ちを左右されるなんて__。
悲しみの涙は、クリームパンで押し戻す。
食べてさえいれば平気だ。
クリームがはみ出し、口や手についても、炭酸で流し込んで次の唐揚げを頬張る。
もう、味なんて分からない。
考える隙を与えずに、食べ物を放り込むんだ。
次から次へと絶え間なく。
でも、ふと浮かぶ【デブ】の声。
私だって、好きで太ったわけじゃない。気づいたらもう、取り返しがつかないくらい太っていた。何度もダイエットをした。その都度、失敗してリバウンド。
お決まりのコースを繰り返し、ここまできたんだ。
それでもやっと【ぽっちゃり】を好きだと言ってくれる彼氏もできたのに__?
どこかでまだ諦めきれないのか、アイスを片手にスマホをぼんやり眺めていたら、ある言葉が飛び込んできたんだ。
【痩せて生まれ変わりませんか?】